上司から「部下が『うつ』かもしれない」という相談があったとき。
大切なのは、「次にどのような行動をとればよいか」という解決(行動)を上司に持って帰ってもらうことだと思ってます。
精神科受診が必要かどうか
まずは本人が「うつ」の相談に来た時と同じく、「休職する必要があるかないか」「精神科を受診する必要があるかどうか」をできるだけ確認します。
「精神科を受診する必要がありそうだ」と判断した場合には、
まずは上司から本人に「産業医にも相談したけど、精神科を受診した方が良いとアドバイスされた」と伝えるよう指示します。
産業医への相談を指示する
明らかに精神科受診が必要と判断したけれど、本人が受診をしようとしない時には、「上司と一緒に産業医面接を受けるように」と上司から業務指示してもらいます。
上司の話だけでは判断がつかない時も同じです。
ゆるく提案
精神科受診は必要なさそうであるけれど、業務上の影響の出ている方は、「一定期間で改善しない場合には一緒に産業医に相談に行こう」と上司から提案してもらいます。
それで本人の状態が好転すればそれで良し。いまいちなら本人の直接相談に移ります。
上司にテコ入れ
時に、上司が「こりゃメンタルだ!」などと慌てふためいて、自分が行うべきことが見えなくなって相談に来ることもあります。そのようなケースは丁寧に上司の困っているポイントを訊いていくと必ず露呈します。
日々の体調確認などを通じて「心配していますよ」「見守っていますよ」というメッセージを伝えていくこと、業務成果については粛々と管理していくこと、健康管理上の課題があるのならば上司と合同で産業医への相談が利用できると伝えることなど、上司が行うべき安全配慮について確認します。
緊急事態:「死にたい」発言
本人に「死にたくなる」「死にたい」などと死をほのめかす発言があるときは、すぐに本人を産業医面接に結び付けるよう指示します。
「死にたい」といったからと言って精神科受診が必要とは限りません。
しかし職場の安全配慮義務上も、他の従業員の就業環境を守るためにも緊急事態として積極的にオオゴトにし、状況改善のためのアクションを取る必要があります。