おおた産業メンタルラボ

ブログ・お知らせ

精神科産業医が語る|通勤って、本当に無駄ですか?その1:9000時間の通勤は、無駄だったのか

Intro


通勤「44分」がメンタルヘルスの分岐点――そんな記事を読んだ。

正直、妙に腑に落ちた。

18歳で運転免許を取ってから、約30年。
ほぼ毎日、車を運転してきた。

主に通勤や通学だ。

平均すると、往復で1時間半ほど。
時には片道100km、往復3時間の通勤をしていた時期もある。

年間200日出勤として約300時間。
それを30年続ければ、通勤に費やした時間は9000時間になる。

こうして数字にすると、
ずいぶん無駄な時間を過ごしてきたようにも見える。

だが、実感はまったく逆だ。

運転している時間は、
単なる移動ではなかった。

考えを整理する時間であり、
仕事と生活を切り替える時間でもあった。

むしろ、この時間があることで、
自分のリズムが保たれていたように思う。

もしこの9000時間がなかったとしたら、
自分はどうなっていただろうか。

コロナ禍でもリモートワークになることはなかったから、
この時間が完全に失われた経験はない。

ただ、出張などで運転をしない日が続くと、
どこか調子が狂う感覚があった。

うまく言語化できなかったが、
今回の記事を読んで、その理由が少し分かった気がする。

続きを読む ▼ “精神科産業医が語る|通勤って、本当に無駄ですか?その1:9000時間の通勤は、無駄だったのか”

職場のメンタル問題、悪いのは上司か その3 なぜ「つなぐ力」が組織を守るのか 

テレビ朝日ニュース「精神疾患による労災認定 初の1000人超で過去最多に『上司とのトラブル』など『職場の対人関係』が要因」

精神疾患による労災認定 初の1000人超で過去最多に 「上司とのトラブル」が急増 仕事が原因で精神的な疾患を発症し、労災認定された人が2024年度初めて1000人を超え、過去最多となったことが分かりましnews.tv-asahi.co.jp

から考えた、第3回、最終回

上司の役割は「解決」ではない─職場のメンタル問題を動かす“つなぐ力”

結論から言えば、
職場のメンタル問題において上司に求められているのは、

「解決すること」ではなく、「つなぐこと」です。

ここを取り違えると、現場はほぼ確実に機能不全に陥るでしょう。

続きを読む ▼ “職場のメンタル問題、悪いのは上司か その3 なぜ「つなぐ力」が組織を守るのか ”

職場のメンタル問題、悪いのは上司か その2 病気・能力・人格・組織—問題はなぜここまで絡み合うのか

テレビ朝日ニュース「精神疾患による労災認定 初の1000人超で過去最多に『上司とのトラブル』など『職場の対人関係』が要因」

精神疾患による労災認定 初の1000人超で過去最多に 「上司とのトラブル」が急増 仕事が原因で精神的な疾患を発症し、労災認定された人が2024年度初めて1000人を超え、過去最多となったことが分かりましnews.tv-asahi.co.jp

から考えた、その第2回

なぜ問題は「上司の責任」に収束するのか


結論から言えば、
職場のメンタル問題が複雑に見えるのは、
問題そのものが難しいからではありません。

構造として理解されていないから、単純化されてしまうのです。

その結果、最終的に「上司の責任」という分かりやすい形に収束していく。

これは現場で非常によく見るパターンでしょうね。

続きを読む ▼ “職場のメンタル問題、悪いのは上司か その2 病気・能力・人格・組織—問題はなぜここまで絡み合うのか”

職場のメンタル問題、悪いのは上司か その1 労災1055人時代に見誤られている“本当の原因”とは 

こんなニュースから考えたこと。

テレビ朝日ニュース「精神疾患による労災認定 初の1000人超で過去最多に『上司とのトラブル』など『職場の対人関係』が要因」

精神疾患による労災認定 初の1000人超で過去最多に 「上司とのトラブル」が急増 仕事が原因で精神的な疾患を発症し、労災認定された人が2024年度初めて1000人を超え、過去最多となったことが分かりましnews.tv-asahi.co.jp

今回はその第1回

「上司が悪い」という思考停止


結論から言えば、
職場のメンタル問題を「上司が悪い」で片付けるのは、
ほぼ確実に判断ミスにつながるでしょう。

むしろ問題は、
本来“構造で扱うべきもの”を個人の責任に還元してしまう
ことにあります。

続きを読む ▼ “職場のメンタル問題、悪いのは上司か その1 労災1055人時代に見誤られている“本当の原因”とは ”

“良い会社”の意外な落とし穴 「味で勝負」の会社ほど、なぜ社員が疲れるのか 

結論から言うと、
品質に強くこだわる会社ほど、
社員が疲弊しやすいことがあります。

一見すると、少し逆説的に聞こえるかもしれません。
しかし産業医として企業を見ていると、これは決して珍しい話ではないのです。
「良いものを作る」
「手を抜かない」
「顧客に誠実である」
こうした価値観そのものは、もちろん素晴らしい。
むしろ会社として健全でしょう。

ただし問題は、
良い仕事をしていることと社会から評価されることは、
必ずしも一致しないという点にあります。
このズレが生まれると、社員のメンタルヘルスに静かに影響してきます。

続きを読む ▼ ““良い会社”の意外な落とし穴 「味で勝負」の会社ほど、なぜ社員が疲れるのか ”