おおた産業メンタルラボ

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精神科産業医が考える 社員のSNS炎上

すわ!社員のSNS炎上


社員のSNS炎上が起きたとき、会社はどう動くべきか。

精神科産業医として現場を見てきた感覚で言えば、
あれは単なる法務案件ではありません。
むしろ、人と組織の問題がむき出しになる瞬間です。

炎上が起きた直後、経営者や管理職の頭の中は穏やかではいられません。
怒りもあれば、不安もある。裏切られたような感覚も出てくるでしょう。
「早く処分を決めないと」という焦りも自然な反応です。

ただ、その感情の勢いで動くと、だいたい事態はこじれます。

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精神科産業医が考える 問題社員に「とりあえず異動」

「とりあえず異動」は、本当に解決策か?


結論から申し上げますと。

「問題社員だから異動させる」と安直に判断すると、
かなりの確率で後からこじれます。

うまくいくこともあります。
しかしそれは、原因と配置転換が偶然かみ合ったときだけです。

魔法ではありません。

今回はそこの「偶然」を、
「必然」に変えられないか、そんなことを考えてみます。

現場が疲弊すると出てくる言葉


現場が限界に近づくと、だいたい同じ言葉が出てきます。

「異動させましょうか」

衝突が続き、周囲も消耗し、管理職の表情も硬くなる。
とにかく空気を変えたい。
いったんリセットしたい。

その気持ちは痛いほど分かります。
精神科医として企業に関わっていると、まさにその場面に何度も立ち会います。

ただし、ここで一度立ち止まらないと、火は別の場所で大きくなることが多いのです。

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精神科産業医が解説 退職代行業に学ぶ「非弁行為」

精神科産業医として企業のメンタルヘルス問題に関わる中で、
私は常に
「医療で解決できること」
と、
「医療では踏み込めない限界」
を意識しています。

過日、大手退職代行業の経営者夫妻が逮捕されました。

この事件は、退職代行という仕組みが抱えてきた問題点、
とりわけ「非弁行為」という法的リスクを、
社会に可視化した出来事だったと考えています。

今回は、精神科医の立場から、
「非弁行為」がなぜ問題なのかを整理してみます。

「非弁行為」という地雷


結論から言いますと。
産業医の相談対応で一番やってはいけないのは、
「健康の話」をしているつもりで「法的判断」まで踏み込むことです。
これが、いわゆる非弁行為の入口になります。

現場では、どうしても親切心が先に立ちます。
相談者が不安そうにしていれば、なおさらです。
ですが、その一言が産業医自身を危うくすることもある。
今日はこの境界線についての整理です。

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精神科産業医が語る 産業医活動という「職人技」

旧友からの頼み事


今度、
産業保健総合支援センターで産業医講習会の講師をすることになり、
その準備を進めている。

そんな折、とても恩義のある旧友から、
「産業医として活動することになりそうなのだけれど、
どうしたらいいか教えてほしい」と相談を受けた。

ひたすら臨床医として真面目にやってきて、
いわゆる“臨床医以外の仕事”については、
これまであまり考えてこなかったであろう友人。
決して器用に立ち回ってきたタイプでもない。

それでも、これからの生活や、
医師としての後半のキャリアを考えたとき、
今さら僕に頼ってきた彼に、どう応えるべきか。
そんなことを考える中で、
改めて「一人前の産業医とは何か」を考えさせられた。

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余 精神科医だから、って相談された話 遠隔地でできること、頭の中

一見の人から電話で相談を受けた話の4回目

相談内容

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西日本にある実家に住む、50代後半のお母様のこと。
旦那さんと二人暮らしだが、
旦那さんは本人の状態があまりにひどく、一緒にいられず、
隣県にある自分の会社へ行ってしまい、現在は別居状態だという。
10年来の”うつ”が悪化しており、「全く一睡もできていない」と訴えている。
一方で、朝になると薬が残っていることもあり、起きられない。
起きてもぼうっとしている状態が続いている。

”うつ”になった”原因”はいくつもある。
かつて自分で事業をしていたが、その際の仕事上のパートナーに裏切られた経験が”トラウマ”になっている。
また、結婚当初の旦那さんの行動についても”トラウマ”があり、そのことをいまだに許せずにいる。

「一睡もできない状態が続き、”うつ”がひどい」ため、A総合病院に入院した。
しかし、入院中もやはり眠れない状態が続き、
1か月ほどで「もう家に帰りましょう」という判断になり、自宅に戻った。
だが、帰宅後も症状は全く良くなっていない。

ご子息である相談者のもとに、そんなお母様から電話がかかってきて、
「つらい」「苦しい」と繰り返し訴えられる。
相談者は「一体、自分はどうしたらいいのだろう」と困り、考えあぐねているという。
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(この事例はファンタジーです)

もし診察に同席できたら

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