ですよねー 苦笑
「未熟型うつ」の若者には、
「自らの業績への貢献が少ないにもかかわらず周囲を責めるような言動」や、
「会社にはうつ状態だとふるまっているにも関わらず、SNSで承認欲求を求めるひけらかしを行う」などの矛盾した行動が出てきてしまいます。
同僚としてこれらに不公平感を感じることは、生物学的に自明なことです。
サルですら仲間の方が明らかに大きな餌をもらっていると怒りを表明する、という実験結果もあります。
しかしその怒りを本人にぶつけても、本人は奮起するどころかますます拗ねてしまうことでしょう。下手をすると「私はうつなのにパワハラだ!」とか言い出しかねません。
といって、そのまま腫物扱いしていては会社の他のメンバーの士気が下がってしまいます。
まさしく職場の困ったちゃんであります。
どうしたらいいんだー!
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職場のメンタルケアに強い産業医の出番です
見立てのチカラ
「未熟型うつ」が暴走してしまうのは、その「うつ」という主治医の診断がジョーカーのように使えてしまうからです
その暴走を防ぐのが。産業医による「未熟型うつ」という見立てです。
主治医という専門家の意見に対抗するためには、産業医という別の専門家の意見が有効、ということです。
じゃあ、産業医は会社側の人間、ということね
そのようにも見えますが、それは片手落ち、というものです。
たしかに、産業医は会社の困っている状況を助け、会社の支援をします。
一方で、産業医は本人へのメリットをもたらし、本人の味方でもあるのです。
そのまま「未熟型うつ」の暴走を放置すれば、「適応障害」によるうつ症状は改善せず、職業上の成長も望めません。さらに暴走してしまえば会社の枠から飛び出してしまうことすらあります。
それを制御して成長するチャンスを与えること、
彼/彼女の誤解されてしまいやすい「うつ」の苦しさを会社の中で受け止め、合理的配慮が行われるように努めること、
この点で産業医は間違いなく本人の味方でもあります。
第三者としてこのバランスをうまくとることが、メンタル対策に精通した産業医の役割です。
で、産業医の一番大事な行動はなに?
直接対応する上司を孤立させないこと、その味方をすることです。
なにせ本人には主治医が助けようとしてくれますが、上司は放っておくと支援してくれる人が居ませんから。
具体的には、上司がついつい反感を持ってしまうことも含めて、その対応は間違っていないと保証すること、愚痴を聞くことです。そしてうっかり怒りをぶつけてしまったりする、という失敗のラインを示しておくことなど、対応の方針を示し、本人の成長を促すよう一緒に取り組んでいくことです。