メンタル系産業医は職場の「適応障害」の回復にどう付き合っていくのか。
その2です
働きながらの負担軽減であるか、休職であるか、また期間も人それぞれだが、しばらく休むと回復してくる。
では、仕事に戻れるほど回復した状態かどうかはどのように判断するのだろう?
まず、「休み始めたときの自分の状態が普通ではなかった」とある程度の客観性をもって振り返れること。
自責ではなく、不調時の自分の状態を客観的に考えて、「あの時は休みが必要だったな」と受け入れられていること。
「自分の努力が足りなかった、もっと頑張れば良かった、気合いが足りなかった」とか自責な上に根性論なのは論外。
「根性ではどうにもならなかったな」という境地にたどり着いていることが必要。
そしてその次は、「うつ状態に戻らないための行動/工夫ができる」のかどうか。
とくに「工夫する行動が具体化していること」
「もう繰り返しません、頑張ります」は工夫ではない。
「残業時間が多すぎたから○○時間までにします」「上司に相談しなかったから、早く相談します」「薬を飲んでいると良いようなので、服薬を続けます」「寝不足だったので、よく寝ます」など、具体的な行動になって初めて工夫になるわけで。
「客観性をもった不調の時期の振り返り」と「繰り返さないための行動の準備」ができたら、いよいよ復職に取り掛かっていきましょう。
この項続く