おおた産業メンタルラボ

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「うつ」の誤診、または過剰診断の害、それを伝えてしまうことの害 その1

誤診の害
身体科の分野での誤診は、時に治療の結果に重大な問題を生むことがあったり、不必要な治療によるダメージを患者さんに与えてしまうことで問題になります。
胃がんを胃潰瘍と誤診してしまったり、またその逆であったり。
身体科の分野で誤診が引き起こす影響は専門家であっても、一般の人であっても大きな違いはないように思います。
 
一方で、メンタルヘルスの分野での誤診については、

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「治る」ということ 私の伝え方 「うつ」はどう良くなるのか その2

|「治りますか?」への私のこたえ|
「治りますか?」に対する私の返答は多くの場合、<良くなります>です。

<今の苦しい状態は必ず良くなります>
<「治る」という言葉は「うつ」にはちょっと使いにくいです>
<「元通り、何もなかったようになること」が「治る」ことなら、そうはなりません>
<でも、今の苦しい状態は必ず良くなります>
<良くなった後に繰り返さないための工夫を続ける必要があります>
<人によるとそれを「治った」という人もいるかもしれません>
といった説明をします。

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「治る」ということ 「うつ」はどう良くなるのか その1

「うつ」などの職場のメンタル不調で、上司さんから「しっかり治ってから復職してほしい」なんて言われます。
「治療してもちっとも治らないじゃないか」「薬を飲んでいる限りは治っていない」なんて言い方をする人もいます。
また、本人から「いつになったら治りますか?」と訊かれます。
そう。仰る通り、目標設定はとても大事なことです。
今回は「治る」ということについて考えてみます。

|「治る」って何でしょう?|
この疑問に応えるためには、まず「治る」という言葉の定義を共有しなくてはなりません。

|言い換えてみる|
「元気になること?」
確かにそうでしょうが、それだけではないようです。
「元通りになること?」
その「元通り」ってどんなことでしょう?
時間を戻すタイムマシーンがあるわけでなし、病気になる前の状態に戻ることはありません。
「もう二度と病気を繰り返さないこと?」
そうあってほしいものですが、生き続ける状況でそれは達成可能でしょうか?

|「治っていない」を考える|
逆に「治っていない」ということを考えてみましょう
「苦しい状態が残っている」
→ それは確かに「治ってない」ですよね。
「しばらく良かったけど病気が再発した」
→ 改善したけど、繰り返したことまでを「治っていない」に含めるのかどうか。
「薬を飲んでいるから治っていない」
→ 治療を続ける必要があると「治っていない」のか。

|繰り返す病気って|
では、「二度と同じ病気にならない」ってことはあるんでしょうか?
「インフルエンザなどの感染症」であれば「治れば」繰り返すことはないでしょうが、「心筋梗塞」でも、「がん」でも、一度「病気」になれば再発する場合があること、そのために治療を続ける必要があることは、当たり前のことです。

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「うつ」を改善させるための食事  低栄養による「うつ」 働く人の「うつ」

|食べていても低栄養|
食事のバランスが崩れたり、低栄養状態となることにより、全身のだるさなど「うつ」の症状が出ることは想像に難くないでしょう。
低栄養による「うつ」はたとえ肥満であっても食事が偏っていれば起こります。
実際の精神科臨床では、「うつ」になることによって食事への配慮が不足し、低栄養によるうつも重なっていっそう不調となって病院を訪れる、という状況が多いです。
私は「食事を改めるだけで『うつ』が治る!」とは言いません。しかし「うつ」を良くするために食事への配慮は必要です。

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