おおた産業メンタルラボ

ブログ・お知らせ

いわゆる「ボーダー」、BPD:境界性パーソナリティー障害 はじめ BPDその1

「ボーダー」なんて略称される、境界性パーソナリティー障害
BPD:Borderline Personality Disorder

かつては何かというと
「あの患者はボーダーだから」
などと盛んに使われていたように思うが、
今はあまり使われなくなったように思う。

あまりに使われすぎて流行らなくなったのだろうか、
それとも発達障害のブームに負けてしまったのだろうか。
精神科の業界用語も、一般のメンタル用語も、このように流行り廃りで変遷しているのだろう

しかしながら、メンタルヘルスの課題を考えたときに、
やはりBPDという診断類型と、
それに応じた対応を押さえておかないとひどい目に遭う、
という意味ではその重要性は変わっていない。

つい最近もそんな事例に触れたので、BPDについて考えてみた。

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言霊からオーバードーズ:ODへの対策を考える

若年者の市販薬などの濫用、過量服薬、OD:オーバードーズが止まらない。
私の勤め先の様な単科精神科病院にも
「ODしちゃってー」などとカジュアルに語る若人が増えている感覚はある。
総合病院の救急外来にはそれこそ掃いて捨てるほど運ばれてくるという。
従来の自殺企図目的の過量服薬と異なるのはその捉え方のカジュアルさだと思う。

リストカットとか
かつて「リストカットしてくる子ってどうしたらよいの?」と、同級生の救急医に聞かれたときのことを思いだす。

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「医師による医師のためのChatGPT入門」と「医療者のためのChatGPT」:読み比べてみた その2

その1、では読んでみただけで終わってしまいました。
その2、では今年の精神神経学会のAIについてのシンポジウムも踏まえて、精神科医として現状を見たときに何を思うかについて書いてみます。

医師の業界で生成AIを使って現時点で何ができるのか。
というと、この2冊に書かれているような、
翻訳機能を生かした医師の学習、研究、報告がメインになっている。
これはいつか来た道ですねー
30年ほど前の初期のPCの利用はこのような目的が始まりだったように思います。
「医師のPCと言えばMacでしょ!」の時代。
あ、私は「大人の翼ThinkPad」にやられた世代です。

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「医師による医師のためのChatGPT入門」と「医療者のためのChatGPT」:読み比べてみた その1

煽りに弱いので
ちょっと前は「IT活用!」次は 「DX!」そして「猫も杓子もChat-GPT!」
いつものごとく「100年に一度の大変革の時!()」です。

先日の日経クロストレンドから流れてきたメールのタイトルは
「生成AI使えないおじさんを回避せよ」だそうな
煽ってきますなー
でも、気にならないかと言われれば嘘になる。
「使えない」のは癪に障るので、
触れてから、せめて「今の自分の状況では使わない」にはしておきたい。

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子育てに悩む親への1冊目に:「マンガでわかるペアトレ: 育てにくい子をほめる・のばす!10のレッスン」

「子育てって具体的にどうしたらいいの?」と悩む親御さんは実に多い。
顧客企業の従業員さんであったり、であう患者さんであったり、自分の仲間であったり。
今回はペアトレ(ペアレントトレーニング)の本。

ペアトレとは
ペアトレとは、ペアレントトレーニングの略です。

発達障害の子どもへの対応法のひとつとして、
まず子どもの父母(ペアレント)が上手に子どもに対応できるようになること、
そして、子供に一番身近な父母が適切な対応ができることで自己効力感を持てるようになり、より子供に関わりたくなる、
そういった養育の好循環を生み出せるようになることがペアトレの目的です

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