煽りに弱いので
ちょっと前は「IT活用!」次は 「DX!」そして「猫も杓子もChat-GPT!」
いつものごとく「100年に一度の大変革の時!()」です。
先日の日経クロストレンドから流れてきたメールのタイトルは
「生成AI使えないおじさんを回避せよ」だそうな
煽ってきますなー
でも、気にならないかと言われれば嘘になる。
「使えない」のは癪に障るので、
触れてから、せめて「今の自分の状況では使わない」にはしておきたい。
そんなアーリーマジョリティでありたいオイラに
アーリーアダプター医師から狙い撃ちのような本が2冊。
「医師による医師のためのChatGPT入門:臨床がはかどる魔法のプロンプト」– 2024/6/3
大塚篤司 (著)
https://amzn.asia/d/0cu2etP0
医師による医師のためのChatGPT入門:臨床がはかどる魔法のプロンプトamzn.asia
3,850円(2024年07月29日 12:53時点 詳しくはこちら)
「医療者のためのChatGPT:面倒な事務作業、自己学習、研究・論文作成にも!」 – 2023/12/10
松井 健太郎 (著), 香田 将英 (著), 吉田 和生 (著)
https://amzn.asia/d/0chBkMWX
医療者のためのChatGPT:面倒な事務作業、自己学習、研究・論文作成にも!amzn.asia
3,080円(2024年07月29日 12:54時点 詳しくはこちら)
まとめて読み比べてみましょう。
あ、アーリーアダプターってのはこちら。
アーリーアダプター – Wikipediaja.wikipedia.org
まずは目次から
「医師による医師のためのChatGPT入門」 目次
▪ プロローグ
初級編
・ 三種の神器①:ChatGPTを登録してみよう
・ ChatGPTにメールの下書きをしてもらおう
・ ChatGPTは学会抄録を作れるのか?
・ ChatGPTに雛形を覚えさせよう
・ ChatGPTで抄録の誤字脱字を探してみよう
・ 三種の神器②:Google Chromeと拡張機能を使ってみよう
・ 三種の神器③:DeepLを使ってみよう
・ Google ChromeとDeepLを組み合わせてみよう
・ ChatGPTの落とし穴①
・ ChatGPTの落とし穴②
・ ChatGPTの落とし穴③
中級編
・ ChatGPT有料版でできること
・ ChatGPTを使ってガイドラインを読み解く
・ ChatGPTに論文を解説してもらう
・ ChatGPTを使って英訳する
・ ChatGPTを使って文章を洗練する
・ ChatGPTに診断のサポートをしてもらう
・ ChatGPTは医師よりも共感性が高い
・ ChatGPTを使って薬の飲み合わせを確認する
・ ChatGPTを使って紹介状や退院サマリーの作成は可能か?
・ DeepL Proを使いこなす
・ ChatGPTを使って論文検索をする
実践編
・ 学会発表のスライド作成①
・ 学会発表のスライド作成②
・ 学会発表のスライド作成③
・ 学会発表のスライド作成④
・ 英語論文(症例報告)の作成①
・ 英語論文(症例報告)の作成②
・ 英語論文(症例報告)の作成③
・ Liner AIを使って鑑別診断をGoogle検索する
・ Claude 3 Opusを使って学会発表スライドから自動で論文を作成する
▪ エピローグ
「医療者のためのChatGPT」 目次
はじめに
【プロローグ】
① ChatGPTの基本的な考え方と「ChatGPT×医療」の可能性
② アカウント作成から使用までの流れ
③ 自分や組織を守るためにすること:個人情報保護について
④ ChatGPTの特徴
⑤ ChatGPTの基本的な使い方
⑥ 拡張機能の使い方(Custom instructions, Plugin, Advanced Data Analysis)
【第1章 ChatGPTの基本と原則】
1-1 まずは使ってみよう!
1-2 よいプロンプトの実践例
1-3 深津式プロンプト
1-4 魔法の言葉「Step by stepで考えて」
1-5 アウトプットの基本は「ですます調」
1-6 ChatGPTの苦手なタスク
1-7 ChatGPTは基本めっちゃ「いいやつ」である
【第2章 医療の現場での実践的活用法】
2-1 業務メール作成&クレーム対応
2-2 標語のアイデア出し
2-3 インシデントレポート
2-4 学生や実習生の評価
2-5 フローチャート/マニュアルづくり
2-6 ちょっとしたグラフを作る
2-7 当直表を作る
【第3章 自己学習への活用法】
3-1 一般的な知識を解説してもらう
3-2 要約してもらう
3-3 ChatGPTに調べ物はできない?
3-4 メンターになってもらう
【第4章 研究・論文作成への活用法】
4-1 研究への活用法
4-2 研究アイデアの提案
4-3 臨床疑問をリサーチクエスチョンに
4-4 臨床疑問をリサーチクエスチョンに(ワークショップ形式)
4-5 研究計画書の作成
4-6 倫理審査申請に関連した書類の作成
4-7 データ解析(Advanced Data Analysisを使用)
4-8 論文執筆
4-9 英文校正
4-10 Abstractの作成
4-11 論文投稿
4-12 査読対応
4-13 論文査読
大塚版「医師のためのChat-GPT入門」
目次からも分かる通り、こちらは生成AIによる論文検索、論文読解、論文作成、発表スライド作成のアシストと言ったアカデミックな利用に寄っている。
「医師のためのー」というより、
「大学病院医師のためのー」または「アカデミアのためのー」と
タイトルを付けたかったのかもしれないと思う。
なんといってもアカデミア。教授であるからして。
一方で、病歴サマリーなどを作るときに向けて、
個人情報を入力してもそれが機械学習に使われないようにするためのオプトアウトの方法をきっちり示している。
ここは素晴らしいと感じた。
それから、大塚教授と若手専攻医との対話形式にすることで読みやすく仕上がっているところもスバラシイ。
松井版「医療職のための GPT」
こちらは、もう少し医師の日常活動の中の場面での生成AIの使い方が例示されている。
目次にもあるように、標語のアイデア出し、当直表を作る、などなど。
中でも、インシデントレポートやクレーム対応の文章を作るというのは、この中でも朱書のできであるかもしれない。
こうしたある程度の「型」に沿うことが期待される文章の作成は生成AIの得意とする分野であり、
電子カルテシステムの秘匿情報と連携する必要はないので、利用しやすい。
それ以外はやはり研究、論文読解、論文作成、
といったことについて、生成AIの活用を謳っている。
2冊ともに共通するところで、
やはり現状ではAIによる翻訳というところが生きてくるメインになるのかなーと読めました。
長くなってしまったので、次回へ続きます