おおた産業メンタルラボ

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「働く人のうつ」 睡眠不足からの「うつ」 その3  睡眠改善のためにどんな生活指導をするの? 後編

睡眠不足への生活指導の続きです
睡眠に「悪いことを減らす」の続きから

|煙草の刺激|
喫煙によって摂取されるニコチンには覚醒作用があります。
血中半減期は2時間程度と言われます。
なので、寝る2時間前、22時からは煙草禁止です。
よく「途中で目が覚めて眠れないからタバコ吸って、また寝ようとするけど眠れない」とか言う人がいますけど、そりゃ当たり前です。朝まで煙草は禁止で。

|光の刺激|
光の刺激が覚醒作用を持つことは言うまでもないですよね。
ここで特に避けるべきなのは、液晶画面から出るブルーライトです。
ブルーライトは睡眠覚醒リズムを司るメラトニンの分泌にかかわります。
「高校生が布団の中でスマホ弄っていて眠れない」というのがブルライトによる睡眠障害の典型例です。<寝たいのか寝たくないのかどっちかにせい>ってとこですね
蛍光灯、LED照明、TV、カーナビ、PC、スマホ、すべーてブルーライト源です。
すべてを避けるのは不可能なので、できれば21時、せめて寝る1時間前23時からはスマホなどを避けるよう指示します。

|音の刺激|
音の刺激も避けましょう。
寝室のカーテンを厚くする。
寝る前に音楽が聴きたければ、静かな音楽にする、寝付いたら電源が切れるようにタイマーをかけておく、など静かな環境を作ります。

|睡眠に「良いことを増やす」|
睡眠に良い影響を与える生活上の工夫は、
・日中の覚醒度を上げること
・寝る前に体温を上げる工夫
が上げられます。

|日中の覚醒度を上げる|
・朝にしっかりと覚醒する
起床したらカーテンを開けて光を浴びる、朝食をとる、といった朝の覚醒度を上げる工夫をします。
光をしっかりと受けてメラトニン分泌による睡眠覚醒リズムを改善させます。
・日中の活動性を上げる
日中は昼寝を避け、仕事や軽い運動をする

|寝る前に体温を上げるような工夫|
生き物は体温が下がるときに眠くなるようにできています。
・夕方に軽い運動をする
・寝る前にぬるめの湯で入浴する
・寝る前のホットミルク
などは一時的に体温を上げて下げるための工夫です。

どれも当たり前のことと言えば当たり前ですね。
睡眠薬を飲めばこんなこと要らないのではないか、と思う方もいましょうが、
睡眠薬はあくまで「睡眠の補助」であって「無理やり寝させる」ためのものではありませんし、この当たり前が実行されないと治療効果は十分には発揮されません。
キレイになるためにはお化粧が上手になるだけでなく基本のお肌の手入れが大事、お肌の手入れのためには日常生活を整えることが大事、といったところと似ているでしょうか。

この項ここまで。