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良い本:「わが子がギフティッドかもしれないと思ったら」 →「ギフティッド」とついている章は読まなくて良い

ギフティッド:Gifted、あるいはギフテッド(私はこっちの方が好き)
「(神から)才能を贈られた特別な存在」ということから、生まれつき特別な才能を有している子の事。
日本語で「天賦の才」という言葉の通りですね。
 
「わが子がギフティッドかもしれないと思ったら: 問題解決と飛躍のための実践的ガイド」

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は、そんなギフテッドの子育てに悩む親のための本、であるらしい。
原題は“A Parents Guide to Gifted Children”
タイトルからはとても特殊な状況に置かれた親のための本のように構えてしまうが、
書かれているのはとても常識的な事ばかり。
 

この矛盾はどうしたことかしら?と思ったら、出版社からの紹介文にも、
「本書は、3%が該当するともいわれるギフティッド児たちの優れた特性と潜在的な困難の正しい理解を促し、彼らの社会的・情緒的ニーズにあわせ親や教育者がすぐに取り入れられる対処法をわかりやすく詳説」とありました。

私の率直な感想 > 3%もギフテッドがいてたまるか。
 
私も含めた普通の人がイメージするギフテッドは、
トマス・エジソンの幼少期のような、とても得意な才能を有した稀有な存在のことでしょう。
当然、「3%」もいませんわね。
 
「3%」という点からして既に“普通”の子の育児の本であることは明らか。
“普通”ではあっても、子どもの能力や興味関心は、ひとりひとり成長度合いが異なるのは当然のこと。
ひとりの子どもの中でもそのばらつきは大きく、あることは上手でも、また別のことには未熟、というのはまた当然の状況。
逆にばらつきがない子なんているはずがない。
 
この本はそんな自分の子どもの得意不得意のばらつきに親としてどう対応していくのか、
角を矯めるのではなく、でも逸脱を助長せずに育っていくためにどうしたらよいか、
といったことを書き連ねている。
 

受け狙いにありがちな「これが正しい!これが正解!」といった単純明快な話ではない。
とても常識的な、その子の気持ちや周りからの浮き具合、暴走具合を見ながら、どう寄り添っていくか、を書いている。
一つ一つの項目については文章は長くない。
そして情景が浮かぶような文章で書かれている。
<こんなことを考えながら子育てに当たっていきたいよね>
<うまくできている親って確かにこんな風だよね>
と想像できる。
 
  
【目次】は以下の通り。
ギフティッドの定義
ギフティッド児の特性
意思疎通―人間関係のカギとなるもの
意欲、情熱、アンダーアチーブメント
しつけとセルフマネジメント
激しさ、完璧主義、ストレス
理想主義、不幸感、うつ
知人、友だち、仲間
家族関係―ひとりっ子、きょうだい関係
価値観、慣習、独自性
育児の難しさ
2Eといわれる子ども
学校はどのようにギフティッド児を判定するか

私の意見:「ギフティッド」「2E」とついている章は読まなくて良い。


ただ、残念なのは、あまりに分厚い本になっていること。
これでも原著は15章仕立ての内、2章は日本の現状にはそぐわないからとオミットされているらしい。
内容的にはとても良い本だと思うのだけれど、
この本に書かれているようなことが必要でも、
この本を手に取る人は少ないだろうなー。
と思ってしまうのが残念。
まあ、書籍である以上、仕方ない。
 
 
ギフテッドがどうこうなどと考えずに、
良いところも困ったところもあるわが子にどう寄り添っていくのが良いか、
自分が良いだろうと思う接し方の背中を支えてくれるような本を探している親御さんに読んでほしい本だと感じました。
 
どなたかこの本を元にマンガ化してくれないかなー
5冊くらいの分冊で、タイトルも変えて。
きっとすごく良い子育てマンガになると思うのだけれど。
そんなセルフケア、セルフサポートのためのマンガ本が増えてほしい。
この項ここまで。