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続「ニューロダイバーシティ」 その先を考えてみる

前回は、ニューロダイバーシティ:NDという言葉についてと、
NDは人手不足とダイバーシティアンドインクルージョン:DIによって注目されている、流行り言葉となってきている、と書きました。

今回はそんなND、DIと日本社会の変化について考えてみます。

|NDって言わなくても|
これまでも、ニューロダイバーシティなどと詠わなくても、
ITに限らなくても、異能の人は活躍してきました。
トマス・アルバ・エジソン、
チャールズ・ダーウィン、
アルバート・アインシュタインなどなど。
彼らの伝記はどう見ても偏りのある逸話に満ちています。

テンプルグランディンだって、ITの人ではありませんしね。
現代日本でも、彼はこちら側よね、という人は数多くいます。
ほりえもんこと堀江貴文さんは自認しているくらいですしね。

|ギフテッド教育のこころみ|
で、このような異能の天才たちの育成を目指すかのような、
ギフテッド教育と言われる活動もありました。
でも、どうも変質してしまうというか、おかしなことになってしまいやすいようです。
翔和学園の試み然り、東大Rocketプロジェクト然り。
様々な要因はありましょうが、
個人的には<天才は育成できないから天才。逆境でも天才にならずにはいられないのが天才>なのだと思っています。

でもそういった、一部の天才に限った話ではなく、
より身近なところで、異才の個人に活躍してもらわなくてはならない。
いや、異才でなくても力を出してもらわなくてはならない。
そんな時代になりつつあるのだと思います。

何故って人手不足だから。
性別だとか、年齢だとかの差別、
ましてや障害があるとかないとかの差別、
もうそんなことをしている余裕はなくなっていく。
人手不足が差別を葬ってくれる。

|何がなくなるのか|
NDにおけるDIの障害の最大のものは、コミュニケーション能力の壁です。
そうするとND、そしてDIが広がった先に来るのは、
現在の日本の異常なコミュニケーション能力偏重評価の崩壊です。

ここしばらくの日本は、同調圧力が強く、表層的な以心伝心のコミュニケーション能力が過剰に重視されています。
失われた30年や、SNSなどデジタル子コミュニケーションの隆盛、人口構造など、その要因はいくつもあるでしょう。
そしてその以心伝心と同調圧力は、この人口減、人手不足によって解体されていくのだと思います。
いつの間にか、強制的に、気が付いたら。
日本のサービス業の代表ともいえるコンビニ。その店員さんに外国籍の方が居なくなってしまったらもう絶対に成立しなくなっているように。
能登半島地震の被災地が、日本の過疎地がどのようになっていくのかを教えてくれるように。
背に腹は代えられないのっぴきならない現実が変化を生んでくれます。

|以心伝心は甘え。きっと|
これからの新しいDIの世の中は、
以心伝心などといった甘えた考えは通用しないことになるでしょう。

今、多数派の地位にいて、快適でいる人にとっては結構生きにくくなる世界。
皆がちょっとだけコミュニケーションに努力しなくてはならない世界。
でも今すごく生きにくい人にはもう少し生きやすくなる世界。
そんな風にになるのではないか。そう思っています。

|言語の壁はAI翻訳デバイスに期待してます|
問題は、私も高齢者に向かっているので、
そんなDIの要請が面倒になってしまいそうなところですけど。(苦笑
でもわかりやすい壁である言語の壁は、
AI技術を使った翻訳デバイスがさらに進化してくれるのではないか、なんて思ってます。
皆が街に出るときには補聴器のように、AI翻訳デバイスを付けて生活するようになったら、言語コミュニケーションの壁はなくなるかもしれませんね。

みんな不便な生活を受け入れて生きていく、
それがDIの世界なのだろうな、と考えたことでした。

この項ここまで。