「ひよこ食い」ってご存知でしょうか。
「起業したてや、士業に合格したばかりの駆け出しの情報弱者を対象とする搾取ビジネス」とまとめられるような、
カモをターゲットにして食い物にするビジネスモデルです。
「ひよこ狩り」と表現されることもあるようです。
こちらの方が言葉としてはわかりやすいかもしれません。
産業医も士業の端くれ。
まして”お医者様”をしてきたような世間知らずばかりの世界です。
ひよこ食いをするには最適な領域なように思います。
産業医業界が盛り上がる中で、「これはひよこ食いかなー」といった宣伝を目にすることも増えました。
とある「産業医○○○○ー」の勧誘メールでは
「億越え産業医への道!」とか
「週10時間の仕事で年間2000万円を狙える!」とか、
威勢の良い言葉が並んでいます。
私のイメージとしては⇈と同類。
「○○○○ー」といえば、RPGでは悪の組織だというのはオヤクソクだと思うんだよなー
嫌儲主義ではないけれど、
「儲かる!」「お得です!」「いい話!」を前面に出す勧誘は
「相手にとってお得で儲かって都合が良い話」に決まってます。
紹介動画を倍速視聴してみると、
「上手に講師をやることでお得な産業医先をGetだぜ!」ということらしい。
いやー。
私が開業する時にいろいろ勉強した限りでは、
「士業の営業のつもりが講師業になってしまう」のは士業の失敗アルアルだと思うんですよねー
そして「講師が楽だと思うなよ」というね。
産業医派遣もそうだけど、講演会マネジメント会社の駒、鵜飼いの鵜になってしまったりね。
そして、「今だけ!月19800円の会費が初月1980円に!」と来たもんです。
いやーどうしようかなー
来月になったら入っちゃうかもしれない。
潜入捜査に。
人のご商売の邪魔をするのは良くないと思うので「○○○○ー」は伏字。
でも、ご商売ですわね。
産業医関連の団体もろもろ
他にも、あれこれと産業医関連の団体というか、
研究会、勉強会、といったものも少し探すだけで出てきます。
オンライン教育動画での講義と、オンラインサロンを兼ねたようなもの、
FBでの自主的な寄り合いのようなもの、
産業医派遣業者の運営するもの、
産業医関連の学会、協会といった名称のもう少し組織だったものも、
産業衛生学会、産業ストレス学会、産業保健法学会、産業精神保健学会、精神科産業医協会などいくつもあります。
私もいくつか(いくつも)団体には入ってます。
精神科産業医協会は認定医にもなっていて、先日研修会にも参加してきました。
精神科産業医協会は、代表理事のお二方のお人柄でしょうか、儲けたろうという印象が感じられないのがとても好印象だったです。
研修会も結構アツく、知的刺激をビシバシと受けました。
やっぱり日々の産業臨床に流されるばかりではいけないと思った事でした。
精神科産業医協会は認定会員基準でもわかる通り、ガチですねー
さて、これらの団体は、
「ひよこ狩り」の意図が全くないもの、
「囲い込み」のような別の狙いがあるもの、
オンラインサロンビジネスのようなものなど、
こちらのビジネスモデルも百花繚乱、といった印象です。
「ひよこ狩り」については、
私の原則としては、
リバタリアニズムに従って「騙される方が悪い」と言いたい立場です。
なんせ士業ですからね。
実態を見抜く力のない専門家モドキは駆逐されるべきです。
しかしながら、そういうのばかりが目立つと、胡散臭い業界に見えてしまうので、そんなひよこ狩りとかは地に墜ちてほしい、というのも本心です。
悩ましい。
ヒヨコの立場の人たちは、派遣会社の鵜になって相場破壊に使われるのは止めてほしいでありますが、
何とか生き延びて親鳥になっていただいて、
そんな人たちでは対応できない場面に、
私の様な精神科産業医の生きる道が生まれてくるのだと思えば、
足を向けて眠れないと感謝申し上げたほうが良いのかもしれません。
ということで、私は専門家の専門家として、お困りの産業医さんからの相談をお待ちしております。
対応にお困りのケースがありましたら相談してきてくださいね。
ひよこ狩りならぬ、親鳥と仲良くやりたい、でしょうか。
ワタクシはどうなのか?
私はヒヨコが転がってヒタテになったくらいと自認しております。
「ヒヨコの対義語はヒタテです」