他の精神疾患と同様に、
統合失調症についても当事者が自分の体験を語る本が出てきていますが
どうも私には統合失調症をテーマとした本は、
ピンとくるものが少ないです。
ご本人が語っていると、つい脚色のように感じてしまったりというか。
表現者としてのトレーニングをされていないご本人が、精神症状を他人にわかるように表現するというのは、難しいということなのかもしれません
そんな中でこの漫画家中村ユキさんの描く
統合失調症の家族としての体験記は、かなり分かりやすく、本人ではない視点から見ていることでストーリーに共感もしやすいです。
わが家の母はビョーキです
わが家の母はビョーキです 2 – 2010/5/21
中村ユキ (著)
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わが家の母はビョーキです – 2008/11/16
中村ユキ (著)
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マンガでわかる! 統合失調症 – 2011/6/10
中村 ユキ (著), 当事者のみなさん (監修), 福田 正人 (監修)
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なんで「2」からならべているのかと言えば、
「2」がより良い本だと感じるからです。
私は自分が関わった病棟の病棟文庫にこの3冊は並べておくようにしていて、それぞれ5冊くらいは買っているような気がします。
患者さんが自分から読んでくださって、
自分で知識を持ってもらうのが一番その方の人生に役に立つのは間違いないので
精神症状の表現や解説
精神症状について、
恐ろしいもののように表現されたり、
面白おかしく表現されているのは違和感を持ちますが、
一方でそれがあたかも当然のもののようであったり、
全く驚かれないもののように扱われているというのもまた不自然に感じます。
その点で、この漫画の中で
母の精神症状について、家族である主人公が、驚き戸惑う姿と次第にそれを受け流したり無視しようとしたりしていく様子というのは、
精神科医としてとてもリアリティを感じます
当事者が自分の体験を語る本には、
体験記にとどまらず、医学的な解説があるものがありますが、
この中村ユキさんの本にもそれは含まれています。
大抵の本では、そこは監修者である
”お医者様”が出てきますが
どうしてもそこで読者の立場としては、
「なんだご高説か」と覚めた気分に引き戻されてしまいます
でも、この本はそれがない。
あくまで中村ユキさんが理解した統合失調症についての解説なので、
読者は急にお医者さんの世界に放り出されることがありません。
解説の内容は、私の師匠でもある福田正人先生の監修済みなので全く心配はありません
「脳のバリア機能が弱ってしまう病気」というこの本の統合失調症の解説に100% 同意するわけではありませんが、
まず間違いの少ない説明ではあると思うし、
たまに私自身もこの説明の仕方を使うことはあります。
統合失調症がやってきた
当事者が書いたマンガではないけれど読みやすい統合失調症の体験記としては、この本。
(ライター本である可能性はありますが)
統合失調症がやってきた – 2013/8/7
ハウス加賀谷 (著), 松本キック (著)
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統合失調症がやってきた (幻冬舎こころの文庫)amzn.asia
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ただ、これは私がTV「ボキャブラ天国」などで松本ハウスの活躍を知っていて、その親近感や思い出補正がかかっている可能性は否定できず。
だれにでも勧められるかというと、
やはりかつての松本ハウスを知っている人に刺さる本だと思います。
「ハウス」の由来とかね。