支援者を支援するために、プランB
上司や社長という、本人の支援者、
それを支えること、
支援者が先に倒れてしまわないように準備することが必要な事で、
負けないように、ことを進めていく、
と前回までに書きました。
支援者を支援するそのためには、
<こうすれば大丈夫です>や、
<こうしてみましょう>
という提案が大切なわけですが、
特に重要だと思うのは、
<これでやってみて、ダメなら次はこうしましょう>
というプランBを作れることです。
その前に、プランAは?
プランBの手前、
本来のプランAは何かといえば、
復職の際の大原則。
「(休む前の)元職への復帰」です。
なろうことなら、
「元職に復帰して、一人前の戦力として活躍してくれること」
これをプランAとしたいところですが、
それはすこし都合が良すぎ。
そこまでできるなら、もとより「問題社員」ではなかったということでしょう。
まずは「元職への復帰」ができる。
これが最低線です。
どこまでがプランAなのか
プランAで「問題社員」に復職してもらう際の条件は、
もちろん元職で出勤ができる、ということだけではありません。
本人が働く中で、
上司や他の人の負担を増やすようなことはしないこと、
同じく周囲の人の士気を下げるような言動を取らないこと。
そして、
戻ってのはじめのうちは半人前なパフォーマンスであったとしても、
そこから少しずつであっても向上し、
一人前に近づこうと努力すること。
つまり大きなマイナスではないことと、
少しずつ成長していくこと、
この2つ。
極論すれば、また新人さんになってやり直そうとすることです。
これができるのであれば、
プランA「元職への復帰」でやり直していけるでしょう。
どうやって仕向けていけるかはまた後程。
「元職への復帰」させないとダメ?
はい。これは譲ることはできません。
明らかなパワハラ以外の様な、一部の例外は除きますが、
復職できるとは、「元職に復帰できる」ことです。
何故なら、
「休職すれば、自分の望む職場?に異動させてもらえる」
というようなことが一度起これば、
自分の希望を叶えるために休職を利用するようなモラルハザードが起きてしまうからです。
一人の社員のために職場のモラルが崩壊するリスクを作ってしまうことは、
あまりにバランスが取れません。
じゃあ、どんな時にプランBを?
でもね。
一時期元職に戻れればいいんです。
とりあえず出勤できて、
本人が体調を崩さないこと、
それが確認できさえすれば、
遠くないタイミングで、
元職と本人の業務能力のミスマッチを解消するための移動があってもいい。
そしてその時に実行するのがプランBとなるわけです
会社の中で、本人にとってまた別の居場所、活躍の場を探しておく、
それがプランBを考えておくことです。
そしてプランBがあることで、
これまでの「問題社員」の在り様を許容しなくても良い事になる。
それが上司さんたちの救いになります。
プランB、本人のこれからを考えるために
プランBを考えるためには、
本人の雇用契約がどのような雇用条件であるのか確認する
職種限定の雇用なのか、
地域限定の雇用なのか、
雇用期間の定めはあるのか。
その会社のなかには、
どのような仕事があるのか確認する。
本人を配属させられる可能性がある仕事や部署、
似たような仕事内容であったとしても、
他の支店、営業所などはあるのか。
などを確認して、
<もしダメだったなら次はこうしましょう>
という次の展開、移動先を考えておく。
職種や処遇の転換も厭わず、
本人の雇用を守りさえすれば良いので、
大胆に次の一手を考えておきます。
そんなことでいいの?
もちろん、プランA「元職への復帰」が大前提です。
でも、「問題社員」の場合には、
「また元の『問題』が戻ってくるのではやっていられない」
という、上司さんたち支援者の絶望を打破することが優先です。
伸るか反るかで、
<これでやってみて、もしダメだったなら次はこうしましょう>
と上司さんには先の像を見せて、
どちらに転んでも負担は軽くなると思っていただき、
本人に「元職への復帰」にTryしていただきます。
元職では出勤できること、不調が再発しないことは確認できても、
どうにも戦力にならなそうな場合、
人間関係がこじれてしまっているなど、
本人も周囲も辛さが勝って働きにくい職場となってしまう場合、
そんなときは、プランB。
次の環境で適応していっていただくことを目指します。
その伸るか反るか、
最後の一戦に本人をどう向けていくか、
そこはまた次回に。