おおた産業メンタルラボ

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職場の「うつ」 「アルコール性うつ」その2 説明してみた

「アルコール性うつ」というものがある、として、それをどのように説明しているのか、についてかいてみます。

|初診場面で|
話を簡単にするために、精神科外来での診察(初診)場面での話にさせてください。
「うつ」の患者さんが自分から希望して受診してきました。
軽度から中等度の「うつ状態」です。採血検査をしても、肝機能に問題はありません。
寝付けないから毎日飲酒している、「うつ」になってから飲酒量は増えている、と言います。
不眠もあるので、睡眠を改善させるためにお薬は処方しようと思います。
患者さんの状態を改善させるために、アルコールの害について説明してみます。

|禁酒につなげる説明|
いまのあなたの「うつ状態」にはお酒が悪さをしている可能性が高いです。
お酒のなかのアルコールは、脳機能を低下させ、麻痺させ、睡眠を損ない、「うつ」を悪化させる要因であることは疑いありません。

睡眠の改善をまずは第一目的としてお薬を出そうと思いますが、
アルコールは薬の効果を妨害したり、思わぬ副作用を出してしまったりします。
つまり、「うつ」の治療にお酒は大敵です。
あなたがやらなくてはいけないことはしばらくの間の禁酒です。
これを約束していただけないのなら、薬は処方できません。
私の出したお薬であなたを危険にさらすようなことはできません。
<一生飲むな>とは言いません。まずは「うつ」が良くなるまでです。
どんなに寒中水泳が好きだからって、肺炎になりそうなときにまで寒中水泳をする人はいません。
まずは、いまの「うつ」が良くなるまでお酒を飲むのをやめてください。

でも、あなたの「うつ」はお酒のせいで起きている、余計にひどくなっている「アルコール性うつ」の可能性がけっこう高いと私は考えています。
もしそうであるなら、お酒を習慣的に飲むことはあきらめたほうが良いです。
エビカニが好きだけどエビカニアレルギーの人のように、食べたら死ぬぞ、とは言わないですが、好きか嫌いかではなく、それを飲むと不調になるわけなので、避けていただく以外にないです。
違法行為でもないので、一生飲むなとは言いません。
ただ、晩酌は止めて、楽しい時だけにしましょう。
それが「アルコール性うつ」の方のお酒との唯一の付き合い方です。

「いや!私は今まで酒は飲んできたけど、『うつ』になんてならなかった!」
そうかもしれません。でもお年を取ってきたり、いろいろ体調不良が重なって、「うつ」になります。
お酒がその悪化要因であるのは間違いないので、まずは良くなるまでは止めましょう。

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とまあ、こんな長話をしています。
必要に応じて、その1に上げたような理屈のところをより詳しく説明します。

ながくなったので、今回はここまで。
続きます。