|睡眠不足は「うつ」になる|
のっけから結論 <睡眠不足は「うつ」になります!>
寝不足だとぼーっとしますよね。判断力落ちますよね。ミス増えますよね。
ミスが増えるのはこういった作業能力だけでしょうか?そんなはずはありませんよね。
感情や気分、身の回りの出来事などについても判断ミスはおきます。
悲観的に考えたり、自分の選択のリスク評価が正しくできなかったり。
この積み重ねから仕事や日常生活を送る上で不利な状況が重なり、「うつ」になる、そのことはほぼ自明だと思います。
|でもそれってどっちが先?|
でもこれは「うつ病」になるんでしょうか。脳機能の低下が「うつ状態」を引き起こしているだけなんでしょうか??? 謎です。
<じゃあ、睡眠不足を重ねたら、うつ病になるかどうか、実験してみたらはっきりするじゃないか!>
そりゃいくら何でも倫理的に実現できるわけがありません。
ということで、この謎は謎のままです。
|「うつ」は眠れなくなる|
何を当たり前のことを、ですが「うつ」の方は眠れなくなります。
教科書的には、「寝すぎになるうつの患者さんもいる」と書いてありますが、私は20年精神科医をやってきて経験したことがありませんので、無視していいと思います。
で、普通の文章だと眠れなさについて、寝つきが悪い、途中で目が覚める、朝早く目が覚める、とか書いて分類するんでしょうが、ここではそういうのはオミット
|眠れないと「うつ」は良くならない|
<睡眠不足はうつになる>の裏返しで、睡眠不足に対処することが「うつ」の治療の第一歩です。
眠れないまま「うつ」が良くなるなんてことはありません。
逆に言えば、「軽度のうつ」であれば、睡眠指導だけで薬物療法なしでも良くなることがあります。
こういった方は、「睡眠不足によるうつ」だったのでしょうね。
|精神科医の診察室では|
私の診療経験からは、精神科医として診察する時は、軽度のうつの方にお会いすることはほとんどありません。なので、睡眠指導をしつつ、睡眠を改善する目的のお薬を処方して、まずは状態が良くなってもらいます。
良くなった後でその改善の仕方、薬を減らした後の状態を見て、病状の中核は「うつ病」だったのか、「睡眠不足」だったのかは判断します。
今回はここまで。この項続きます