「うつ」などの職場のメンタル不調で、上司さんから「しっかり治ってから復職してほしい」なんて言われます。
「治療してもちっとも治らないじゃないか」「薬を飲んでいる限りは治っていない」なんて言い方をする人もいます。
また、本人から「いつになったら治りますか?」と訊かれます。
そう。仰る通り、目標設定はとても大事なことです。
今回は「治る」ということについて考えてみます。
|「治る」って何でしょう?|
この疑問に応えるためには、まず「治る」という言葉の定義を共有しなくてはなりません。
|言い換えてみる|
「元気になること?」
確かにそうでしょうが、それだけではないようです。
「元通りになること?」
その「元通り」ってどんなことでしょう?
時間を戻すタイムマシーンがあるわけでなし、病気になる前の状態に戻ることはありません。
「もう二度と病気を繰り返さないこと?」
そうあってほしいものですが、生き続ける状況でそれは達成可能でしょうか?
|「治っていない」を考える|
逆に「治っていない」ということを考えてみましょう
「苦しい状態が残っている」
→ それは確かに「治ってない」ですよね。
「しばらく良かったけど病気が再発した」
→ 改善したけど、繰り返したことまでを「治っていない」に含めるのかどうか。
「薬を飲んでいるから治っていない」
→ 治療を続ける必要があると「治っていない」のか。
|繰り返す病気って|
では、「二度と同じ病気にならない」ってことはあるんでしょうか?
「インフルエンザなどの感染症」であれば「治れば」繰り返すことはないでしょうが、「心筋梗塞」でも、「がん」でも、一度「病気」になれば再発する場合があること、そのために治療を続ける必要があることは、当たり前のことです。
「うつ」を改善させるための食事 低栄養による「うつ」 働く人の「うつ」
|食べていても低栄養|
食事のバランスが崩れたり、低栄養状態となることにより、全身のだるさなど「うつ」の症状が出ることは想像に難くないでしょう。
低栄養による「うつ」はたとえ肥満であっても食事が偏っていれば起こります。
実際の精神科臨床では、「うつ」になることによって食事への配慮が不足し、低栄養によるうつも重なっていっそう不調となって病院を訪れる、という状況が多いです。
私は「食事を改めるだけで『うつ』が治る!」とは言いません。しかし「うつ」を良くするために食事への配慮は必要です。
「働く人のうつ」 睡眠不足からの「うつ」 その3 睡眠改善のためにどんな生活指導をするの? 後編
睡眠不足への生活指導の続きです
睡眠に「悪いことを減らす」の続きから
|煙草の刺激|
喫煙によって摂取されるニコチンには覚醒作用があります。
血中半減期は2時間程度と言われます。
なので、寝る2時間前、22時からは煙草禁止です。
よく「途中で目が覚めて眠れないからタバコ吸って、また寝ようとするけど眠れない」とか言う人がいますけど、そりゃ当たり前です。朝まで煙草は禁止で。
「働く人のうつ」 睡眠不足からの「うつ」 その2 睡眠改善のためにどんな生活指導をするの? 前編
|睡眠不足への生活指導|
ここからが本編。睡眠不足の人にはすべて生活指導をします。
病状への対応の基本は生活指導です。生活習慣を変化させずに薬だけ飲ませたって効くわけがありません。
「コーヒーがばがば飲んで、眠れないから睡眠薬を飲んで、酒も飲んで、当然改善しない」なんてことが放置されているのが精神科のおかしなところです。
たぶんそういうのを期待する人はこのnoteなんて読まないから、イイですね。
「働く人のうつ」 睡眠不足からの「うつ」 その1 睡眠不足は「うつ」になる
|睡眠不足は「うつ」になる|
のっけから結論 <睡眠不足は「うつ」になります!>
寝不足だとぼーっとしますよね。判断力落ちますよね。ミス増えますよね。
ミスが増えるのはこういった作業能力だけでしょうか?そんなはずはありませんよね。
感情や気分、身の回りの出来事などについても判断ミスはおきます。
悲観的に考えたり、自分の選択のリスク評価が正しくできなかったり。
この積み重ねから仕事や日常生活を送る上で不利な状況が重なり、「うつ」になる、そのことはほぼ自明だと思います。