その1では、「(精神)安定剤」として出されているBZD系薬剤はむしろ精神を不安定にする、と書きました。
「じゃあなんで、不眠症にBZD系睡眠薬を出すのか?」って思いますよね。
<たとえ時間が短くても、睡眠としては浅くても、睡眠がとれないよりはまし>という状況のためにあるのだと思います。
BZD系薬剤も、発売された1960年代当初は「安全な睡眠薬」として登場したのです。
比較対象は、それまでに処方されていた、バルビツール酸系睡眠薬などのかなり危険な薬剤でした。これらは過量服薬すると呼吸停止する作用もあり、自殺手段として用いられました。
「(比較的)安全な薬」としてBZD系薬剤は普及したのです。
そこから40年以上、BZD系薬剤に代わる選択肢がなかった、ということもありましょう。