統合失調症は、幻覚や妄想、思考の混乱などの症状を特徴とする精神疾患で、働く世代にも少なくありません。早期発見・早期治療により社会復帰が十分可能な病気である一方、職場での理解不足や対応の遅れが、本人や組織に深刻な影響を及ぼすこともあります。ここでは産業医の立場から、統合失調症の基礎知識と職場における配慮のあり方について解説します。
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私の場合 精神科産業医なんて、その2
精神科産業医なんて必要ない、という話から、
それはどんな事態なのだろうか、
ということをつらつらと想像してみたのが前回の話。
今回はそんな状況に自分がどうしてきたか、
そしてどうしていきたいか、について書いてみます
精神科産業医なんて、という声に 産業医に求めるもの その1
先日の精神科産業医協会の会合で聞いた、ちとつらい話。
常勤産業医がいる規模の会社で、
精神科を専門とする非常勤産業医として契約されていたが、
常勤の産業医が対応できるから、と
「メンタルはこっちでできますから」
と言われて契約を切られてしまった、残念だ、
という話。
パワハラだ!と節操なく騒ぐことはパワハラであるという話
前回に引き続き、パワハラにまつわる話です。
でも今回は、「過剰なパワハラ被害の振りかざし」の話
ご相談風、架空症例:
「ごく普通に仕事の指示を出しただけなのに、新人の部下がすぐに『それってパワハラです!』と言ってくるんです。
納期の確認や注意といった、ごく一般的な指導でも同じ反応を繰り返されるので、正直こちらも萎縮してしまいます。
周りの社員も腫れもの扱いで指示を出しにくくなり、業務全体が回らなくなってきているんです。」
こんな状況を耳にして、
部下の指導方法に悩んでしまう上司の方は少なくないだろうと思います。
悩むことは間違っていません。
ただ、この部下の発言は許容されるべきではない。
まず先に指導して修正されるべき言動です。
なぜパワハラはいかんのか パワハラ職場を考える
パワハラはどんな時に起きるのか
「パワハラ」は個人の性格や人間関係の摩擦で起きる
そう思っている人が多いかもしれません。
でも、パワハラって、単なる人間関係のもつれではありません。
パワハラが起きる職場になっていることは、
組織の文化そのものが不健全になってきているサインでもあり、
気づかないうちに創造性を奪っていく危うい仕組みのひとつなんです。
特に危ういのは、「同調圧力」が強く、「同質性」が高い職場環境です。
言われなくてもこれくらいわかって当然、という「以心伝心」「阿吽の呼吸」がパワハラが許容されてしまう組織の前提条件です。
