これまで、
精神科主治医が患者さんの職場復帰に際してできることは、
「後の先」を取るべく会社の出方に合わせて意見を出していくことと、
患者さんの応援をすること。
「先の先」を取って患者さんに保護的な環境を作ろうと立ち回るのは悪手。
「『まだ復職できない』ってことだな」などと判断されてしまいかねない、
と書きました。
その「先の先」の悪手の中、
会社側から見たときに、困ってしまう主治医意見書の代表に、
「(復帰に際しては)職場の異動が必要である」という主治医意見があります。
これまで、
精神科主治医が患者さんの職場復帰に際してできることは、
「後の先」を取るべく会社の出方に合わせて意見を出していくことと、
患者さんの応援をすること。
「先の先」を取って患者さんに保護的な環境を作ろうと立ち回るのは悪手。
「『まだ復職できない』ってことだな」などと判断されてしまいかねない、
と書きました。
その「先の先」の悪手の中、
会社側から見たときに、困ってしまう主治医意見書の代表に、
「(復帰に際しては)職場の異動が必要である」という主治医意見があります。
前回は、
患者の味方である精神科主治医は、
会社が従業員の復職に対してどう準備するかについては、
あれこれと具体的に口出しするのではなく、
「そろそろ戻りますので準備始めてくださいね」とあらかじめ呼び掛けて、
十分な準備期間を作るのが大切、
と書きました。
まともな会社であれば、
会社の環境が主なきっかけで社員が不適応になったとしたら、
それに対しては対策してきます。
その動きを促して、それを受けてどう対応するか、
つまり「後の先=カウンター」を取っていく、ということです。
あまりに当たり前なので、どうにも受けが悪かった様子。
まあそうですよね。
当たり前のことに驚きはないですからね。
さすがこの記事を読んでくださっている皆さんです。
続きを読む ▼ “精神科主治医にできないことと、できること。復職希望に精神科主治医は その4”前回は、復職をソフトランディングさせていくためには、
復職診断書には「異動が必要!」とか書かない、
「復職後は元職復帰」というのは、
厚生労働省のガイドライン通りであるし、
精神科の基本にも沿っているから、と書いた。
そして、残るは、
「元職復帰はまあわからなくはないけれど、
仕事内容が変わって、そこから不適応ーメンタル不調になった場合はどうするの?」ということへの対応。
前回まで、
メンタル不調からの復職の事例に対して、
そんな時に産業医がどうしたら良かったと思うのか、
そのことについてつらつらと書いてきた。
従業員はまだ回復が不十分な状態なのに「復職希望!」と診断書を持ってきた。
従業員の回復不十分な病状もあり、
面接を繰り返しても事態は思うようにいかず、
「産業医の対応に傷ついた!」と事態がこじれてしまう。
そんな事例。
休職・復職に臨む休職者の不満から、
産業医にもっとしてもらいたかったと思うこと、について書いてきました。
まず、回復の全体像、
休職者がこれからどんなことに取り組んだら復職となるのか、
復職しても病状悪化を繰り返さないであろうと捉えてもらえるようになるのか、
そんな、休職者に必要なことを探るための話し合いをして、
回復とその後の経過への長期的な展望を共有することを行い、
次に、
保健師や人事労務スタッフなど味方を増やそうとする。