企業から産業医に寄せられる“パワハラ疑い”の相談
産業医として企業の面談に関わっていると、パワハラに関する相談を受けることは少なくありません。
実際の現場では、次のような2つの“対照的な”ケースが立て続けに起こります。
ケース1 強圧的な指導を受けた新人が体調を崩し、人事が「これはパワハラか?」と相談してきたケース
営業部の新人Aさんが、
上司から日常的に強い口調で叱責されていた、との報告があり、
最近は頭痛・吐き気・不眠などの症状が出ているということで、
人事から相談が入りました。
「上司は“指導のつもり”と言っていますが、
これはパワハラに該当するのでしょうか?
産業医の立場で判断してもらえませんか?」
企業側としては、
“部下に不調が出ている以上、パワハラとして扱うべきではないか?”
という不安が背景にあります。
ケース2 通常の業務指導に対し、若手社員が強いストレスを感じ「これはパワハラだ」と訴えたケース
入社2年目のFさんは、上司から
「報連相が不足している」「期限は守るように」
といった業務指導を受けました。
通常の指導であったようですが、
「否定された」
「人格を否定された気がする」
「これはパワハラではないか」
とひどく泣いて人事に駆け込んできました。
人事担当者も困惑しています。
「行為だけを見れば通常の指導の範囲ですが、
本人は強いストレス反応が出ています。
こういったケースはパワハラと言えるのでしょうか?
産業医の先生の判断をお願いしたいのですが……」
