おおた産業メンタルラボ

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職場の「カチッ・サー効果」について語ってみる 精神科産業医が解説+

「影響力の武器」といえば、
なんといっても、カチッ・サー効果。
今回は、そのカチッ・サー効果が、職場のメンタルヘルスにどう表れてくるのかについて語ってみます。

影響力の武器[新版]:人を動かす七つの原理 
2023/11/10
ロバート・B・チャルディーニ (著)
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なぜ、その一言で心が折れてしまうのか


職場のメンタル不調は、「たった一言」が引き金になることがあります。
その背景を理解するキーワードの一つが カチッ・サー効果 です。

精神科産業医としてハラスメント事案や不調者対応に関わっていると、
「そこまで言われていないのに、なぜここまで悪化したのか?」
という場面に、何度も遭遇します。

教科書的には「ストレス耐性」や「個人差」で片づけられがちですが、
臨床の現場では、もう少し具体的な説明が必要になることが多いです。
そこで出てくるのが、このカチッ・サー効果です。

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『影響力の武器』のすごさを精神科産業医として語りたくなった

なぜ『影響力の武器』は40年以上たっても色あせないのか


また名著、「影響力の武器」(原題:INFLUENCE)のすごさを語ってみたくなりました。

『影響力の武器』の初版は1984年。
なんと今から40年以上前の本です。

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『影響力の武器』がすごいのは、「人が動いてしまう仕組み」の基本構造が、40年以上ほとんど変わっていないことを証明している点
にあります。

精神科医として日々人の行動を見ていても、これは強く実感するところです。

40年前の理論が、今も標準理論である理由


『影響力の武器』は1984年に初版が出版された古典です。
実に今から40年以上前。

にもかかわらず、ここで提示された影響力の原理は、
今でも
・マーケティング
・組織マネジメント
・医療現場
・SNSやコミュニティ運営
など、あらゆる場面で「基本理論」として使われ続けています。

これは珍しいことです。
心理学の理論は、流行り廃りが激しいですからね。

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離職したい社員に、産業医ができること 精神科産業医が解説+

結論から言いますと。
離職を考えている社員に対して、産業医ができることは多くありません。
ただし、「何もできない」わけではないと思うのです。


経営者の方などから、こんな声を聞くことがあります。
「辞めたいと言っている社員に、産業医が関わって何の意味があるんですか?」

気持ちはよくわかります。
離職は個人の自由ですし、最終判断は本人のものです。
産業医には辞職を止める権限も、人事配置を変える権限もありません。

その意味では、
「産業医が関わっても結果は変わらない」
という認識は、教科書的には正しいと言えるでしょう。

それでもなお、私は
離職を考える社員と産業医が話すことには、一定の意味がある
と考えています。

それは「引き止めるため」ではありません。
でも、辞めるのを止めることにはつながるのかもしれません。

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これってパワハラ?と聞かれたときに産業医は。

企業から産業医に寄せられる“パワハラ疑い”の相談


産業医として企業の面談に関わっていると、パワハラに関する相談を受けることは少なくありません。
実際の現場では、次のような2つの“対照的な”ケースが立て続けに起こります。

ケース1 強圧的な指導を受けた新人が体調を崩し、人事が「これはパワハラか?」と相談してきたケース


営業部の新人Aさんが、
上司から日常的に強い口調で叱責されていた、との報告があり、
最近は頭痛・吐き気・不眠などの症状が出ているということで、
人事から相談が入りました。

「上司は“指導のつもり”と言っていますが、
これはパワハラに該当するのでしょうか?
産業医の立場で判断してもらえませんか?」

企業側としては、
“部下に不調が出ている以上、パワハラとして扱うべきではないか?”
という不安が背景にあります。

ケース2 通常の業務指導に対し、若手社員が強いストレスを感じ「これはパワハラだ」と訴えたケース


入社2年目のFさんは、上司から
「報連相が不足している」「期限は守るように」
といった業務指導を受けました。

通常の指導であったようですが、
「否定された」
「人格を否定された気がする」
「これはパワハラではないか」
とひどく泣いて人事に駆け込んできました。
人事担当者も困惑しています。

「行為だけを見れば通常の指導の範囲ですが、
本人は強いストレス反応が出ています。
こういったケースはパワハラと言えるのでしょうか?
産業医の先生の判断をお願いしたいのですが……」

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信仰、信心と精神医学 精神科産業医が解説+

いま、統一教会、宗教二世に絡む裁判が行われている。
だからというわけではないが、
今回は信仰、信心について考えてみます。

信仰や信心という言葉は、どうしても“宗教の話”と思われがちですね。
けれど、精神科産業医として働く人の心に向き合っていると、これはもっと広い概念だと痛感します。

結論から言えば、信仰・信心とは「人が自分を支えるための軸」そのものでしょう。
宗教であっても、家族観であっても、人生哲学であっても、その人の中で一貫性をつくる支柱になります。

以下では、信仰とメンタルヘルスの関係を、私の診療経験も交えながら整理してみます。

信仰・信心とは何か:宗教より広い「心の働き」

「信仰」は超越的な存在や理念への信頼を指し、
「信心」はその“心から信じる姿勢”そのものを言います。

精神科医として見ていると、

  • 宗教を持っていてもいなくても
  • 哲学的でも、家族中心でも、キャリア中心でも

誰しも何らかの“心の軸”を持っているのが実態ですね。
人は空白に耐えられません。

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